新型コロナ感染症に関する情報提供 (山田置賜保健所長 メルマガVol.45)

情報提供の都合上、9月22日の時点での内容となっております。ご了承ください。



置賜保健所の山田です。

お陰様で、ここ数日は感染者ゼロの日が続いています。

また、川西の「かがやきの丘」さまも、

一連の感染が終息したと判断し、

9月20日から再開となりました。

⇒10日以降に診断確定となった方は、

閉鎖後でしたので施設内での感染には影響していません。

職員と今回の状況を振り返ってみたのですが、

8月上旬から9月中旬まで幼稚園・ソーラー・高校・運送会社・高齢者福祉施設と、

切れ間なく5つのクラスターが重なり合うように発生していました。

約7週間の間に225名(発表日ベース)‼

第4波の5月は3週間で140人だったので一気に増加した感じでしたが、

今回は中々収まらず長かったです。。。

今までの第4波と大きく異なったのは、

①子供たちの発病者が多かったこと

(高校生は結構高い熱が出て入院となった方もいました)

②青・壮年期で基礎疾患なしでもワクチン未接種者は入院を要する場合があったこと

③ワクチン接種済みの高齢者が軽症であっても施設内・家庭内感染を起こしたこと 

 などです。

いずれも変異株(デルタ株)の影響と考えられましたが、

ほぼ全員、早期診断されたため順調に回復しています。

(村山地域に転院搬送となった1名も昨日無事退院しています。)

一般にウイルスは自分の生存をかけて変異を繰り返すのですが、

「生きた細胞の中でしか増殖できない」という性質から、

感染性と毒性は反比例します。

つまり、毒性が強すぎて相手を死なせたら自分も生きられなくなるため、

強毒性⇒感染は限定的となるわけです。

では、感染性が大幅に強くなったデルタ株で、

どうして若年の体調不良者が増えているのかということですが、

これは新規の病原体を排除するために放出される物質(サイトカイン)が暴走して、

自分自身を攻撃するからだと言われています。

だから、免疫が十分出来上がっていない小児では、症状が軽くなるわけです。

こういった過剰な反応を防ぐためにはワクチンが非常に有効です。

新型コロナの遺伝子の端切れをワクチンに体内に入れておけば、

「新参者が来た~」と免疫がパニックにならず冷静に対応できます。

また、早期に中和抗体(抗体カクテル療法)を行い、

ウイルスの増殖を抑えることで免疫も大げさな行動には出なくなります。


今後も小さな流行は繰り返されると思いますが、

多くの方がワクチン接種を済ませていただくことで、

地域医療への負荷は大幅に軽減できます。

ワクチンの流通が以前よりもスムーズになってきましたので、

接種が可能な方々へのお声がけを引き続き宜しくお願いいたします。